歳をとるということ
歳をとるって、歳をとるって、そういうことなんだよ。
17でこの曲作りましたとか、この詞書きましたとか、
ステキなもの作りましたとか、言えなくなるってこと。
そういうこと言える未来が消えてしまうっていうこと。
まだここに来ていない、あの確かな未来は幻になるの。
もう、いくら頑張ったって、どれだけ張り切ったって、
「これは20の時書いた曲です」としか言えないわけ。
ひとつの物語が失われてしまったんだよ。敢え無くね。
そもそも20と17じゃ、大きな違いがあるってんだ。
キラメキが違うってんだ。ビリビリできないってんだ。
フレッシュな感じがないわけ。ドラマチックじゃない。
「キュッと引き締まって全方位敵なし!」それが若さ。
ハタチなんて丸っこくて、ぶよぶよで、躍動感がない。
まだ若いのに、もう若さに執着している。
これまでの短い人生、
年齢に頼りすぎていた。
新しい誕生日が執行され、
またひとつ年齢が失効して。
本当に恐ろしいことだと思う。
若さは確実に武器だったんだよ。
最大限利用して何とか生きてきた。
もう丸腰だ。戦える相手もいないよ。
幼い頃は一人じゃなかった。大人になるはずの自分が、別の自分がもうひとり用意されていたから。
でも、今はどうだ。いつの間にかひとりなんだ。